豊田直巳さんと一緒


 一昨日、このブログでもご紹介(9月17日)したフォトジャーナリスト豊田直巳さんの写真展と講演に行ってまいりました。

  写真展は「戦火の中の子どもたち」と言う名前ですので、写された人々の顔は悲しみ溢れていますし、怪我や病気で平常心で見ることのできないものもありました。 しかし、豊田さんはとてもポジティヴな方でした。今の私よりは何十倍も危険な場所に行かれ、いつも写真や講演会で世の中に訴えておられる姿を見たら、ぬくぬくと過ごしている私がへこたれてはいけないとつくづく反省しました。
 彼は講演の中で、マスメディアや日米政府などの流すアフガンやイラクやパレスチナなどに関する情報がいかに好い加減で歪められたものであるかを彼が経験をしたいろいろな例を示して、丁寧に説明して下さいました。そして、情報を検証し、自分の頭で考えることが如何に大切かを繰り返し説いてくれました。そこには勇ましさはなく、とても優しい心と思いやりだけでした。私がこのmixiや講演で日頃から訴えていることと共通する点が多くて、とても共感しましたし、感動しました。
 特に、アチェの津波被災現場で活躍する国連やNGOなどの全ての車に張られた"No Weapon"非武装のステッカーの写真と彼のお話は、平和を作る力は非武装しかないと言うことを明らかに示していました。
 また、インド洋やイラクでの自衛隊の活動がいかに無意味で、Costlyであるを教えてくれました。例えば、アフガンの戦争被災者支援として、自衛隊機を何機も飛ばして、何億円もかけ隣国のパキスタンへ運んだ三百数十枚のテントがパキスタン製であったこと、EUや国連などがパキスタンで調達して数千枚のテントをすでに運び入れているのを恥じて、こっそりと現地で在庫していた500枚をこっそりと追加したこと、イラクでの自衛隊の給水事業や学校修復事業が如何に無意味でCostly(現地調達の水の1000倍の費用、自衛隊が修復した壁の出来栄えがあまりにひどいので現地の人が塗りなおしたこと、550人送られた自衛隊の中のたった30人しか、サマワの駐屯地外で活動していなかったこと、自衛隊歓迎の垂れ幕の日本語は、日本人の某特派員が書いて誤訳であること、サマワからの感謝状も日本の依頼で出されたこと、自衛隊の安全確保のために現地の部族に大枚の税金が費やされたこと、そんな自衛隊の活動を現地の人は評価していないことなど)であるか、自衛隊の劣化ウラン弾の放射能汚染に対する防備が如何に無意味であるか(残留放射能の計測が不可能な計器を隊員が装備していたこと)などです。これは、私が日頃訴えている、「人道支援の面だけでなく、費用対効果も非常に低く、税金の無駄遣いそのもの」と言う考えを立証するものでした。
 豊田さんは私の経歴や考えに大変興味を持って下さって、講演会の合間や2次会でじっくりお話することが出来て、更に意気投合することができました。そして、先日ミヤンマーで亡くなられた長井さんが「優しくて、素晴らしい人」だと言うことが再確認できたこと、「必要なのは勇ましさではなく、優しさのリレー」と言う私の考えに120%賛成して下さったことなど、お金や権力がなくても同じ気持ちで一生懸命活動している人がいることを再確認出来て、本当に勇気づけられました。
 私と立ち位置や考え方に共通点が多く、講演後の約6時間があっという間に過ぎました。これで今日は、角松ちゃんにMaxパワーを上げられそうです。本当に有難いことです。(昨日はちょっと、二日酔い気味でしたが・・・。笑)
 もちろん、大学でも豊田さんの講演会を企画しますよ。乞うご期待!


山口実